酒造りと煎茶人鶴翁

酒造りは米と水と麹を主原料とし、自然発酵の作用を応用して造られます。酒造技師を杜氏といい、当時は農閑期を利用した農民でした。

酒の風味を五味といい「甘」「酸」「辛」「苦」「渋」があり、これらが調和して「こく」が生まれるといわれています。
 
五十年間、酒造りに携わってきた杜氏は「未だ満足のいく酒を造れない。酒は生きものであり、天地の恵みより賜ったものである」といっています。
酒造りでは厳粛な神事を二度おこないます。最初の神事は蔵元(酒造家)が神主を招いて、邸内の神社に安全成就を祈願し、一同にお祓いをします。そして祝詞をあげて井戸や醸造所内の要所にお祓いをします。もう一つの神事は本仕込に入る前におこないます。
 
このような酒造りの心は煎茶人鶴翁に大きな影響をあたえました。