三種亭其行

鶴翁は師事した聞中浄復禅師から「三種亭其行」を授かりました。文政七年(一八二四)三種亭其行の名前で「茶売り詞」を著わしました。

三種亭其行の名前の由来については詳らかではありませんが、聞中禅師は達磨大師の教え「三種安楽の法門」を鶴翁に伝えたと推測します。

その教えは『三つとは、「唯浄(ゆいじょう)」「唯善(ゆいぜん)」「徐緩(じょかん)」です。「唯浄」とは清浄心を自分の心にせよ。「唯善」は腹をたてない。「徐緩」はゆっくり落ちつくことです。この三つを心がけることで、安楽、しあわせになるという教えです』(「臨済・黄檗宗公式サイト」)

売茶翁は終焉にあたり「達磨宗第四十五傳」といっているように「達磨への回帰」を述べています。このように売茶翁を崇敬した聞中禅師は、鶴翁の雅号で達磨の教えを伝えたのだと思います。